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『チャングムの誓い』に学ぶ食事法

更新:2008/11/27

健康ライター/管理栄養士 志水あい 早いもので、もう今年もあと1ヶ月ちょっと。毎月コラムを書くたび、「1ヶ月が経つのは早いなぁ」と感じますが、1年が経つのもあっという間ですね。


さて、最近の私は、世間よりだいぶん遅めの韓流ブームがきています。といっても、ドラマや映画ではなく料理。韓国料理ブームです。
きっかけは、以前テレビで放映されていた『チャングムの誓い』の小説。実在した主人公のチャングムの波乱万丈の生涯や、彼女を取り巻く人間模様とともに、たくさんの宮廷女官たちが王や王妃らのために懸命に料理をしている姿が描かれている作品です。
ふだんテレビを観る習慣がないので、「おもしろい」と聞いてもドラマは「観たい」と思わなかったのですが、近所の古本屋さんで見つけて読み始めたら、すっかりハマってしまいました。


韓国料理では、唐辛子がよく用いられます。辛い料理が多いイメージがありますが、決して辛いものが中心というわけではなく、「甘味」「辛味」「酸味」「苦味」「塩味」の5つの味のバランスが重視されているのが特徴です。また味のほかにも、「赤」「緑」「黄」「白」「黒」の5つの色、「焼く」「煮る」「蒸す」「炒める」「生」の5つの調理方法のバランスも重視されます。この考え方の基本となっているのが「陰陽五行説」です。

陰と陽、相反するものはどちらも大切という考え方の「陰陽説」。5つの味と色と調理法を指す、五味、五色、五法がバランスよく保たれると「肝臓」「心臓」「腎臓」「脾臓」「肺臓」の五臓の健康維持に役立つとされる「五行説」。これら2つが合わさったのが「陰陽五行説」で、韓国料理では薬膳はもちろん日常的な家庭料理にも、この考え方が生かされているそうです。

さらに「身土不二(シンドブリ)」「薬念(ヤンニョム)」という考え方も、古くから大切にされてきました。「身土不二」は、生まれ育った地域でとれる食材を食べるのが健康につながるのを意味する言葉。地産地消の大切さを表す言葉です。「薬念」は、薬味や合わせ調味料の総称で、食べ物が薬の役割を持つとする医食同源の思想に基づく言葉。薬を調合するように、食べる人の健康を考慮し、体に必要なものをおいしく取り入れるためにつくられる調味料です。


私が『チャングムの誓い』を読んで韓国料理に関心を持ったのは、体によい食事をつくろうとするときに必要なこれらの考え方がつまっていたから。偏りがないようにバランスを重視し、体や環境に優しい食材を選び、体調や味の好みを考えて食事をするのはとても大切です。また、これらの考え方は、料理をつくるときに限らず、外食やテイクアウトで食事をするときでも活用できます。
含まれている栄養素の種類や量、カロリーなど、料理を選ぶ際の指標はさまざまです。でも指標が多すぎて、難しく感じたり混乱したりして、うまく選べないときもあります。そんなときに、韓国料理で大切にされている「陰陽五行説」や「身土不二」などの考え方を、ぜひ活用してみてください。

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